首里城に再びバスケットリングを “王国”始まりの地アピールへ、首里高・県芸大生で製作プロジェクト始動


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1931年に撮影された首里城正殿の写真。広場の左右にバスケットボールリングが2台確認できる(「戦前の沖縄・奄美写真帳」沖縄県立図書館所蔵CCBY4.0)
県立芸大の張本文昭教授の指導の下、首里城公園へのバスケットボールリングの設置に向け、製作日程などを話し合う首里高の生徒ら=25日、那覇市の県立首里高

 「バスケ王国」の始まりの地にバスケットボールリングを-。8月25日から沖縄市でFIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)2023が開催されることを受けて、沖縄で初めてバスケの試合が行われたとみられる首里城に、バスケリングとボールを設置することを目指すプロジェクトが始まっている。製作はいずれも那覇市首里にある首里高校と県立芸大の生徒と学生が担う。25日に首里高で生徒約40人が集り、製作日程などが話し合われた。

 戦前のバスケ史に詳しい県立芸大の張本文昭教授が監修する。W杯の観戦に訪れる国内外の観光客に首里をPRしようと、8月第3週ごろから首里城公園内への設置を目指す。沖縄市でのW杯の試合は9月3日まで。

 沖縄でバスケの試合が初めて行われたことを示す記事は、1905年10月19日付の琉球新報に掲載されている。張本教授は、記事でプレーしていたと書かれている女学生が、当時校舎にしていた首里城でバスケが行われていたとみている。

 戦前、首里城にバスケリングが設置される様子が映る写真も存在する。

 プロジェクトは沖縄バスケット情報誌「アウトナンバー」が発起人となって、首里高と県立芸大の有志が連携して企画した。プロジェクトの一環で、首里高生らは8月25日~9月3日の期間中、観光客と「バスケゆんたく(お話)」をしながら首里の街を散策するイベントも実施予定だ。

 生徒らはリングの製作班と散策イベント班に分かれて話し合った。

 リングの製作班で元バスケ部主将の3年生、知花史騎(ひとき)さん(18)は「沖縄バスケの起源がここ首里だと分かって感慨深い。首里のバスケをアピールするためにも絶対に成功したい」と意気込んだ。
 (梅田正覚)