陸自オスプレイの飛行を見合わせ 米国の事故報告書受けて防衛省 米軍には停止求めず普天間周辺で飛行続く


この記事を書いた人 琉球新報社
陸上自衛隊のV22オスプレイ=2022年7月撮影、千葉県の木更津駐屯地

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故で「機械的故障」が原因だったとする報告書を受け、防衛省が22日から陸上自衛隊のV22オスプレイの飛行を見合わせていることが25日、分かった。一方、米軍普天間飛行場周辺では25日も海兵隊のオスプレイが飛行を続けた。防衛省は米軍の対応策を追認し、オスプレイの飛行停止は求めていない。

 防衛省担当者は米軍に飛行停止を求めない理由について「米軍はこれまでに一定の飛行時間を超えた部品を交換するなど安全対策を取ってきた」と評価し「自衛隊も同等の対策を取れているか確認している」と述べた。

 墜落事故は2022年6月に米カリフォルニア州で発生し、5人が亡くなった。今月21日に米海兵隊が事故調査の報告書を公表した。事故原因について人為的なミスや整備不良ではなく、原因はエンジンとプロップローター(回転翼部分)をつなぐクラッチの作動不良による「壊滅的かつ予期せぬ機械的故障」だと説明した。

 報告書はクラッチの不具合が生じる根本的な原因は「依然として不明」とした上で、部品交換など事象を軽減する対策を示している。防衛省はこれらの対策が陸自機に適用されているかどうか確認している。

 25日午前11時27分、宜野湾市によると、市野嵩の上空を飛行するMV22オスプレイが確認された。
 (明真南斗、知念征尚)