豊見城、41年ぶり優勝 3―2で東風平を下す 沖縄県中学野球選手権


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優勝を決めて喜び合う豊見城の選手=26日、名護市のタピックスタジアム名護(屋嘉部長将撮影)

 軟式野球の第75回沖縄県中学校野球選手権大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会、琉球新報社)最終日は26日、名護市のタピックスタジアム名護で決勝を行い、豊見城が3―2で東風平を下し、1982年以来、41年ぶり2度目の優勝を飾った。

 豊見城と東風平は8月3~6日に宮崎県で開催される第48回九州中学校軟式野球競技大会に県代表として出場し、九州大会3位までに与えられる全国大会(8月18~22日、高知県)出場権獲得を目指す。
 (屋嘉部長将)


豊見城、逆転勝ち

 軟式野球の第75回沖縄県中学校野球選手権大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会、琉球新報社)最終日は26日、名護市のタピックスタジアム名護で決勝が行われた。島尻地区同士のカードとなり、豊見城が3―2で東風平を下して1982年以来、41年ぶりとなる2度目の優勝を飾った。

優勝した豊見城の選手ら=26日、名護市のタピックスタジアム名護

 東風平は一回と三回に得点を挙げて、リードして試合を展開する。豊見城は三回と四回に一点ずつ入れて同点に追いつくと、六回に1死二塁から豊川仁千弥(にちや)が決勝点となる安打を放ち、勝利をたぐり寄せた。

 豊見城と東風平は8月3~6日に宮崎県で開催される第48回九州中学校軟式野球競技大会に県代表として出場し、九州大会3位までに与えられる全国大会(8月18~22日、高知県)出場権獲得を目指す。


途中出場豊川 試合決める

決勝点となる二塁打を放ち、ベンチの仲間へガッツポーズをする豊見城の豊川仁千弥=26日、名護市のタピックスタジアム名護(屋嘉部長将撮影)

 東風平を追う三、四回に1点ずつ返し、同点に追い付いた豊見城。六回1死二塁のチャンスで打席に立った途中出場の主将・豊川仁千弥(にちや)には、「今大会、逆転勝ちが多かった」と焦りはなかった。

 1ストライク1ボールとなったところで、突然の雨で試合は一時中断。ベンチに戻ると「おまえがキャプテンだから決めてこい」との仲間の声を聞き、集中を保った。約2分間の中断だったが変化球を狙う気持ちは変わらなかった。

 中断後の初球、外へ逃げるカーブに合わせてバットを振り抜くと、三遊間を抜ける。二塁ランナーの玉城成琉(なる)が三塁を蹴り、一気にホームへ駆け込み、決勝点となる3点目を挙げた。

 その間に、豊川は二塁へヘッドスライディングして塁上に立つと、仲間のいるベンチに右手を突き上げて喜んだ。

 肩を痛め、決勝は控えに回った豊川だが、初回からベンチ裏で素振りをするなど準備は怠らなかった。「自分が打って決めたいと思っていたので、チームに貢献できて良かった」と笑みを浮かべる。

 1年生から目指していた県大会を制し、九州大会出場を決めた。豊川は「九州で3位に入って、全国出場を目指したい」と力を込めた。
 (屋嘉部長将)


東風平、後半打線沈黙

得点につながる2安打を放った東風平の玉城巧心

 先制していた東風平だったが、四回以降、豊見城の先発・上原亜優斗に打線を抑えられてしまった。

 初回は1番打者の玉城巧心が左前へ安打を放ち出塁。犠打や四球、安打もあり、1死満塁のチャンスで上間悠智の二塁へのゴロの間に玉城が快足を生かし、先制のホームを踏んだ。三回にも玉城の二塁打から犠打で三塁へ進む。ここでも玉城は足を使い、犠飛で追加点を挙げた。

 しかしこの後、上原の投球の前に打線は沈黙し、安打で出塁できなかった。玉城は「緩急をうまく使われて、打たされてしまった」と振り返る。

 大会3連覇とはならなかったが、九州大会出場を決めた。主将の幸地泰輝は「先輩たちが優勝しているので、連覇を目指す」と意気込む。2得点に絡んだ玉城は「全国の切符を取りにいく。途中で豊見城と対戦するならリベンジしたい」と雪辱を誓った。
 (屋嘉部長将)


▽決勝
東風平
101 000 0 │2
001 101 ×│3
豊見城
(東)大城、新垣―久高
(豊)上原―熊谷
▽三塁打 比嘉(豊)
▽二塁打 宮里、玉城(以上豊)、玉城(東)