沖縄県信用保証協、2年連続の黒字 22年度、収支差11億円 「代位弁済」想定より低く


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 沖縄県信用保証協会の2022年度決算は、企業の純利益に相当する収支差額が前年度比3.9%増の11億3647万円となり、2年連続の黒字だった。新型コロナウイルスの「ゼロゼロ融資」の返済据え置きなどで保証債務残高が高止まりし、主な収入源の保証料が前年度並みに確保されて収支にプラスとなった。事業者が返済できない借金を肩代わりする「代位弁済」が想定より低かったことも支出抑制につながった。

 協会は事業者から保証料を受け取り、借り入れを保証している。その保証債務残高は22年度末が3006億円5400万円で、過去最高を記録した前年度末から横ばい(0.05%増)で推移した。保証料収入も同0.1%増の29億2千万円と同水準だった。

 保証債務残高が高い水準にあるのは事業者の返済据え置きや条件変更などによるもので、40億円を見積もっていた代位弁済も23億5千円(前年度比24・9%増)に抑えられた。ただ、業種別では飲食業や建設業で代位弁済が増加傾向にある。

 本年度はコロナ関連融資の返済が本格化し、保証債務残高は減少に向かう見込み。協会の担当者は「(休廃業など)事故が増えている様子もあり、代位弁済は増えていくと想定される」と説明した。
 (當山幸都)