基地に起因する汚染問題で意見交わす 玉城知事がハワイを訪問、州知事や水道局長と面談


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ジョシュ・グリーンハワイ州知事(右)と面談する玉城デニー知事=ハワイ州(沖縄県提供)

 玉城デニー知事は26日(日本時間27日)米ハワイ州を訪れ、ジョシュ・グリーンハワイ州知事、ホノルル市郡水道局のアーネスト・ラウ局長と面談した。水道局長との面談では、米軍に起因する水質汚染への対応などについて意見交換した。

 ハワイでは2021年11月、オアフ島レッド・ヒル地区にある米軍の地下燃料貯蔵施設から燃料が漏れ、施設下の飲料水用の水源が汚染された。同州は同12月に利用停止などを求める緊急命令を出し、米国防総省は22年3月に閉鎖を発表した。

 県によると、ラウ局長は、燃料漏れによる水質汚染の状況や水道局の対応、オアフ島で今年検出された発がん性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)について説明した。ラウ局長は、州政府機関だけでなく、議員やNPOなどの市民団体とも連携し、一体となって「ワン・ボイス」という形で訴えることで、国防総省の考え方が徐々に変わり、情報を開示するようになったと話した。汚染がある他地域と連携して対応を比較し、成功事例を共有することで前進できるとの認識を示した。

 玉城知事は、沖縄のPFOSなどの汚染について、県民だけでなく基地内外に住む米軍人や軍属、その家族にも供給される水の問題だと伝えたという。今後、ホノルル市郡水道局と県で連携を図りたいと提案し、ラウ局長も快諾した。

 グリーン州知事は昨年12月、前任の県系3世デービッド・イゲ氏の後を継ぐ形で就任した。「沖縄にルーツのあるイゲ氏のようにできるかは難しいかもしれないが、沖縄との交流に全力を尽くしたい。ハワイには沖縄ルーツの人がたくさんいる。これから沖縄に行く機会があれば良い」と話した。グリーン氏の妻は熊本にルーツがあるという。今後、年2回バーチャルで知事会議を開催したいと提案があった。

 玉城知事は、昨年開催した第7回世界のウチナーンチュ大会に、イゲ氏をはじめハワイから多くの参加があったことへの感謝が伝えられた。「クリーンエネルギーや観光などでハワイとは連携している。これからもいろいろな分野で連携していきたい」と話した。

 玉城知事は日本時間の28日、ハワイと友好・姉妹都市として連携する日本各地の都市との「日本ハワイ姉妹サミット」に出席する。
 (沖田有吾)