【東京】防衛省は27日、米軍嘉手納基地などから米アラスカ州への米軍機の訓練移転について、対象区域を日米合同委員会で決定したと発表した。2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を増額させる新たな特別協定を結んだ際、日本側が費用を多く負担して訓練移転を進める対象に米アラスカ州を追加していたが、具体的な区域は決まっていなかった。
今回合意した移転先はアラスカ州のアイルソン空軍基地、エレメンドルフ・リチャードソン統合基地、統合太平洋アラスカ演習施設。嘉手納基地のほか、三沢基地や岩国基地の米軍機がアラスカ州の対象施設や周辺で訓練する際は日本側が費用の75%を負担する。沖縄などの基地負担軽減の名目だが、嘉手納基地にはアラスカの空軍基地からたびたび米軍機が飛来しており、負担軽減策としての実効性は不透明だ。
日米合同委員会では、沖縄防衛局がキャンプ瑞慶覧で実施している学校や住宅の建設工事で発生した土砂を一時的に保管しておくため、嘉手納弾薬庫地区の一部(約23・2ヘクタール)を共同使用することも確認した。(明真南斗)