台風6号、ホテルや那覇空港で混乱続く 台風進路遅く、影響拡大に懸念も


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出発ロビーでキャンセル待ちなどで列を作る観光客ら=31日、那覇空港の出発ロビー

 台風6号の接近を受け、航空各社は那覇発着の便について31日以降の欠航を早めに判断し、利用者からの問い合わせ対応に追われた。那覇市内のホテルは、キャンセルや延泊の申し込みが相次いでいる。キャンセル分を延泊で補えない施設もあり、台風の影響が長引くことを懸念する声が聞かれた。

 日本航空(JAL)グループは、利用者から「運航の可否を早めに判断してほしい」との声を受け、31日午後3時前後以降の全便の欠航を29日までに決定し、同日夜にホームページで発信した。担当者は「2日前の決定は相当早い。今回の台風は進路がずれても沖縄に影響が出ると総合的に判断した」と話した。

 全日本空輸(ANA)は、31日正午以降発着の定期便を欠航し、1日と2日までの全便欠航を発表している。31日は那覇―羽田路線に3便の臨時便を設け、うち2便は当日の発表となったが、ほぼ満席で運航したという。

 ホテルでは、県外からの便の欠航で宿泊キャンセルが増える一方、空港に近い那覇市内のホテルでは、北部のリゾートホテルなどから移動してきて延泊する動きもみられた。ロワジールホテル那覇の武田寛枝総支配人は「延泊手続きなどでフロントが大混雑し、スタッフも対応に追われている」と話した。

 ホテルパームロイヤルNAHAでは、キャンセルと延泊の動きで客室稼働率はほぼ相殺されているという。高倉直久総支配人は「帰りたくても航空予約が取れず、3日以上延泊するお客さんもいる」と話した。

 ノボテル沖縄那覇の泉暁夫セールス&マーケティング部長は「海外ツアー客の予約はあるが、キャンセルを補うほどの(延泊による)ピックアップはない。一番の稼ぎ時に大打撃だ」と頭を抱えた。

 那覇市内のほかのホテルでは、約400人のキャンセルが出たが、延泊は数十人ほどだという。担当者は「今回の台風は進みが遅く、沖縄の近辺にとどまる見込みだ。さらにキャンセルが増えるのでは」と長引く影響を懸念した。
 (與那覇智早)