【台風6号】停電影響で県内の広い範囲で断水 宜野湾市は非常用飲料水を住民に配布


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非常用飲料水を袋に詰める市上下水道局の職員ら=3日、宜野湾市野嵩の市上下水道局

 台風6号による停電の影響で、県内の広範囲で断水が発生した。県によると、浄水場の停電などで少なくとも9市町村で断水が発生。一部解消し、県衛生薬務課によると3日午後3時半時点で伊是名村、本部町、久米島町、座間味村、国頭村、中城村、宜野湾市で断水が発生している。集合住宅でポンプが作動しないケースもあり、実際はさらに多くの世帯で断水しているとみられる。

 水道用水供給を担う県企業局によると、停電で漢那ダムと金武ダムで揚水ができなくなっているが他の水源でまかない、有機フッ素化合物(PFAS)汚染に伴う中部地域の一部水源からの取水停止は継続している。

 南上原調整池へ送水する新垣増圧ポンプ場(中城村)の停電と非常発電機故障により、調整池を利用する宜野湾市のはほぼ全域で断水が発生した。市上下水道局は同市庁舎前で非常用飲料水2千リットル以上を用意し、住民に配った。4日以降も復旧しなければ午前9時頃から配布する。

 宜野湾市嘉数で子どもや親族と12人で暮らす知花武志さん(48)は「午前8時まではちょろちょろと出たが、以降は全く出なくなった。人が多いので飲料水が足りない」と訴えた。市真栄原のこども園は子どもの安全確保などが難しくなるとして保護者に降園を求めた。

 伊是名村は1日午後4時頃から村内の全740世帯で断水。村によると停電の解消に伴い浄水場は再開したが、給水再開には浄水後の水を1~2日かけてタンクに一定量ためる必要があるという。旅館を営む上里圭一さん(47)は「水が止まることは想定外だ。風呂やトイレが使えず困った」と話した。
 (沖田有吾、名嘉一心、武井悠)