停電時でも専用バッテリーの充電が可能に 在宅医療の災害対応をサポート 那覇市の「Kukuru」に設備を設置へ


この記事を書いた人 琉球新報社
一般社団法人Kukuruが運営する施設ククルプラス(提供)

 日常的に医療行為が必要な子どもを支援する一般社団法人Kukuru(鈴木恵代表)は4日午前、台風6号の再接近に備えて、在宅療養で使用する医療機器の専用バッテリーを充電できる設備を那覇市真地にあるKukuruの駐車場内に設置する。太陽光発電の資機材を取り扱う「ダイワテック」(愛知県)の県内総代理店「ブリリアント」の協力によるもので、企業と連携した災害対応は初めてという。

 医療的ケア児や難病患者の在宅療養では、人工呼吸器や酸素濃縮器、たんなどの吸引器などを使用している。通常は家庭用電源を使用しているが、急な停電時や移動の際には、専用バッテリーが必要になる。

 台風6号の影響により県内では最大約3割の世帯が停電し、一部はまだ復旧していない。医療的ケア児の家庭では、停電によって人工呼吸器や酸素濃縮器が使用できず、病院や電気が通っている親類宅に避難した例もある。台風6号は本島地方に再接近する恐れがあり、在宅療養を続ける家庭にとっては緊急時の電源確保が大きな課題となっていた。

 鈴木代表によると、2日に医療的ケア児をめぐる台風の影響が報道された後、ダイワテック側から支援の打診があったという。4日は午前10時半から充電設備の設置作業を開始し、その後、充電が可能になる予定。充電設備とは別に、Kukuruの施設でも充電に対応する。

 鈴木代表は「企業側との連携は初めて。迅速な対応に感謝したい。停電が続いてバッテリーを充電できない家庭などはぜひ利用してほしい」と呼び掛けた。問い合わせは098(888)5996。
 (嘉陽拓也)