大型で強い台風6号は沖縄地方を東から西へ横断するような進路を取り、3日も本島地方や宮古島地方、石垣島地方で猛威を振るった。県内各消防に琉球新報が確認したところ、3日午後8時現在で強風にあおられ転倒するなど61人が負傷した。本島や周辺離島では停電復旧作業が始まり、沖縄電力はおおむね5日中の完了を目指す。ただ、台風は4日から6日ごろにかけて強い勢力で向きを東に変えて進み、沖縄本島地方では4日から再び暴風、大雨になる恐れがある。台風の影響がさらに長期化する可能性が高まっている。
台風が遠ざかった本島や周辺離島では3日、人身や建物の被害に加え、停電や断水といったライフラインの状況も次第に明らかになった。県は3日午後に災害対策本部会議を開いて状況の確認や対応策について協議した。県によると、農林水産業への被害額は同日午後6時現在で2億6251万円に上った。
沖縄電力によると、午後10時現在33市町村7万8870世帯が停電となっている。ピークの約22万世帯から10万世帯以上復旧した。
台風は3日午後9時現在、宮古島の北北西の海上をほとんど停滞している。同日午前6時17分には宮古島市の宮古島地方気象台で最大瞬間風速39メートルを記録した。沖縄気象台は暴風警報について、久米島で4日朝、本島中南部で同日昼過ぎ、本島北部で同日夕方を見込んでいる。
本島地方と宮古島地方は各地で降り始めからの雨量が300ミリを超えた。読谷村読谷では、降り始めから3日午後6時までの雨量は372.0ミリに上った。
台風の最接近は久米島で5日朝から昼前、本島中南部で同日昼過ぎから夕方、本島北部で夜の始めごろから遅くの見込み。暴風の終わりについて、気象台は久米島で5日夜の始めごろ、本島中南部で6日明け方、北部で同日昼前を見込む。
本島地方では4日以降も警報級の大雨が続く恐れがあるほか、4日にかけて警報級の高潮となる見込み。これまでの暴風や大雨などの影響を受けている所では、被害が拡大する恐れがあるとして、気象台が警戒を呼びかけている。
(中村万里子、小波津智也)