【台風6号】役場が備蓄のクッキー配る 船が来ず食料品が品切れ 渡嘉敷・座間味


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台車から外れて横倒しとなったボート=3日午前6時15分ごろ、渡嘉敷漁協の船揚場(米田英明通信員撮影)

 沖縄地方を通過したはずの台風6号は4日、Uターンして再び沖縄地方を暴風域に巻き込み、猛威を振るった。バスやモノレールは運休し、海・空の便も欠航。各地で停電や断水が続く上、小規模離島は物資が途絶え、食料不足への危機感が増す。長期化する被害に、県民からは「台風もう来ないで」と悲鳴が上がる。

<渡嘉敷>

 【渡嘉敷】渡嘉敷村では1日午後7時ごろから島内のほとんどの世帯などで停電し、電話も不通になったが、4日の午前1時ごろようやくほぼ半数が復旧した。一安心したのもつかの間、同日再び暴風域に入り、住民らは不安を募らせている。

 老朽化した空き家やプレハブ住宅などの一部破損や半壊、漁協の船揚場にロープで固定した1隻の船や道路上に駐車した車1台や樹木などが横倒しとなった。村定期船舶が7月31日から全便欠航、各商店で食料品などが品切れ状態となっている。 (米田英明通信員)

<座間味>

 【座間味】フェリーの欠航が続く座間味村では4日、村役場が高齢者や村民らを対象に食料品を配布した。1日から村全域で続いた停電は4日午後、おおむね復旧した。

 同村は7月31日から船便が欠航、食品の入手が困難に。4日は座間味島の各公民館などで村役場が災害用に備蓄するピラフや米粉クッキーを3品ずつ配り、計90人が受け取った。阿嘉島にはフェリーが再開し次第、配布する。村担当者は「電気が復旧し台風情報が入るようになった。早く船が再開してほしい」と話した。 (岩切美穂)

<久米島>

 【久米島】久米島は3日、約54時間ぶりに暴風警報が解除されたが、わずか半日後の4日、再び暴風警報が発表された。島と本島を結ぶ船は7月31日から全て欠航し、食料不足も心配される。

 沖縄電力によると4日午後6時時点で630戸が停電。4日夜には解消を見込んでいた断水も、長引く暴風に復旧の見通しがついていない。2日午後、具志川浄水場から水を供給している地域で断水が発生した。大半が解消したが山手にある具志川、仲村渠の一部で4日午後7時現在も断水が続いている。町は4日、仲泊のあじまー館に飲料水の提供場を設け500ミリリットルペットボトル2344本と20リットルのウォータータンク20本を約250人に配布した。 (藤村謙吾)