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三線に夢中、ハワイの兄弟が銅賞に合格 始まりは父への「ハッピーバースデートゥーユー」


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野村流音楽協会琉楽奨励賞の銅賞に合格したケアヒ・イングラムさん(左から2人目)とケアヌ・イングラムさん(同3人目)、母の好乃・幸地・イングラムさん(左端)と師匠の金城光信さん(右端) =7月9日、うるま市の生涯学習・文化振興センターゆらてく

 【中部】琉球古典音楽野村流音楽協会の第17回琉楽奨励賞が7月9日、16日に沖縄県うるま市の生涯学習・文化振興センターゆらてくであった。ハワイからケアヒ・イングラムさん(13)とケアヌ・イングラムさん(9)が出場し、それぞれ銅賞に合格した。ケアヒさんは結果に「ワンダフルな気分」、ケアヌさんは「素晴らしい」と喜んだ。

 2人が三線を始めたのは、4年前、母の好乃・幸地・イングラムさん(43)と共に母の古里である沖縄市に里帰りした時だ。ケアヒさんが、好乃さんの実家にあった三線で、誕生日の父のリーバイさんに「ハッピーバースデートゥーユー」を演奏しようと、弾き始めたという。その際、野村流音楽協会の金城光信さん(74)に出会って習い始めた。ハワイでは、金城さんの紹介でつながったハワイ支部の屋宜盛一さんの元で稽古を重ねた。

 金城さんはケアヒさんを「直感が優れている。音の出し方や調弦を教えたその日に、自分で音を探して奏でていた」と太鼓判を押す。ケアヒさんが三線を弾くのを見て、ケアヌさんも習いだした。

 ケアヒさんは「沖縄の文化は自分のアイデンティティーの一つ。琉球王国時代からの歌を受け継いでいきたい」と話す。

 2人に続いて、三線を習い始めたという好乃さんは「(古典音楽には)沖縄のしまくとぅばのメッセージがたくさん入っている。歌詞に込められた思いを受け継いでほしい」と話した。

(田吹遥子)