【台風6号】「線状降水帯」発生で大雨災害の可能性 動き遅く、雨量増える見通し 地盤の緩みに警戒を


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台風の激しい風雨で荒れる名護湾=5日午前11時46分、名護市数久田(小川昌宏撮影)

 台風6号の再接近の影響で、沖縄地方の各地で記録的大雨が続いている。台風の中心の東から南側にかけて強い降水域があり、6日午前中にかけて「線状降水帯」が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性がある。これまでの暴風や大雨で影響を受けている場所では、さらに被害が拡大するおそれがあり、県や沖縄気象台が低い土地での浸水や河川の増水などに警戒・注意するよう呼び掛けている。

 線状降水帯は、次々と発生する積乱雲が列をなし数時間にわたって同じ場所を通過したり停滞したりする現象だが、5日午後8時までには発生していない。気象台によると、6日にかけて多いところで1時間に50ミリの非常に激しい雨が降る見込み。台風6号は動きが遅く、台風本体の雨雲と周辺で発達した雨雲がかかることで、局地的にさらに雨量が増える可能性があるという。

 これまでに降り続いた大雨で地盤が緩んでいる地域もあり、土砂災害への危険度が高まっているとして、本島南部の那覇や糸満、豊見城、南城、八重瀬に土砂災害警戒情報が発表されている。崖の近くなど土砂災害が発生しやすい地区に住む住民に対し、早めの避難や、市町村から発表される避難指示などの情報に注意するよう呼び掛けている。

 7月31日の降り始めから5日午後4時までの降水量は久米島町で718ミリ、久米島空港で633・5ミリ、那覇空港で540ミリ、那覇市で518・5ミリ、読谷で518ミリ(いずれも速報値)などを観測した。

(慶田城七瀬)