手や腕を遠隔操作 玉城さん、世界初の装置開発 分野超え活用も


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将来のノーベル賞候補として世界から注目されている県出身の玉城絵美さん=20日、那覇市の県立博物館・美術館

 県出身で、米国のニュース誌「世界の発明50」にも選ばれた早稲田大学の玉城絵美助教(31)が20日、「沖縄から世界に羽ばたく~夢を技術に」をテーマに講演した。主催は県発明協会。コンピューターを使い人の手や腕に電気信号を送って、動かす世界初の装置「Possesed Hand(ポゼストハンド)」を開発した経緯や研究内容、今後の商品開発などについて講演した。

 玉城さんは北谷町出身で、東京大学大学院在学中に世界初の装置「ポゼストハンド」を開発した。開発したきっかけは「『引きこもりたい』という欲から」だったという。同装置を普及させるために東大発ベンチャー企業「H2L」(東京都)を設立した。
 玉城さんは講演で「コンピューターを通じて電気信号を遠隔地の人に送ることで、室内にいながら私もその人たちと一緒に体験することができる」と開発経緯について語った。
 装置を普及させようと、脳科学や筋肉の研究などと連携し、さまざまな分野での活用を図っている。「ポゼストハンド」を改良してできた「Unlimited Hand(アンリミテッドハンド)」は、腕に装着すると3D映像に連動し、動作が映像に反映される。電気信号で筋肉が錯覚を起こし、触感も再現できる。インターネットで寄付を募るクラウドファンディングを使い、資金を調達。受付開始から22時間で目標を達成し、現在では約8万ドルの寄付が集まっているという。
 玉城さんは「自分の専門分野だけでなく、分野を超えて想像することでさまざまな分野で応用でき、付加価値も高まる」と話した。