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最低賃金が1000円に? 沖縄はどうなる?<ニュースはじめの一歩>


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今年の目安額などが報告された沖縄地方最低賃金審議会の会合=7月31日、那覇市

 Q:「最低賃金」って何だろう。千円になったとも聞いたよ。

 

 A:雇用した労働者に対して企業が最低限支払わなければならない時給のことです。パートやアルバイトなど、非正規雇用を含む全ての労働者を対象としています。下回るなど、違反した企業には罰金が科されます。

 毎年、7月下旬に労働者の代表と経営者の代表、中立的な有識者でつくる厚生労働省の中央最低賃金審議会が話し合って目安を決めます。全国の労働者1人当たりの平均金額が今年は1002円と初めて大台に乗りました。

 地域ごとの額はそれぞれの経済状況を踏まえ、都道府県をA―Cの三つにランク分けしています。今回の引き上げ額は東京などAランクが41円、北海道などBが40円、沖縄が含まれるCは39円でした。

 これを参考に今度は都道府県ごとの地方審議会が8月ごろにそれぞれの最低賃金を決め、毎年10月ごろに適用されます。

 今年の改定額については沖縄地方最低賃金審議会が8月中に結論を出す方向で議論しています。沖縄の現在の最低賃金は853円で、目安通りに改定されれば892円となります。同様に目安通りの引き上げとなった場合、最高額は東京の1113円で沖縄とは221円の差があります。

 先日の沖縄の審議会では目安額について経営者側から「厳しい」との声が上がる一方、労働者側からは地域間格差に不満が示されました。

 最低賃金が適用されない人たちもいます。新しい働き方として注目される「フリーランス」です。政府も成長戦略に位置付けていますが、賃金や長時間労働の規制といった問題を含め公的な支援をどう広げるかが課題でもあります。