松田さん、新聞配達で図書贈る 緑風学園に4年間


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贈られた図書を前に松田義之・幸枝さん夫妻と緑風学園の児童ら=10日、緑風学園図書室

 【名護】名護市立小中一貫教育校「緑風学園」(島袋克也校長)で10日、図書の贈呈式があった。贈ったのは那覇市在住の松田義之さん(70)。松田さんは毎年の指定課題図書や新刊図書の中から、緑風学園がリストアップした100冊を届けてことしで4年目。

 松田さんの父・義太郎氏(故人)が汀間出身で、旧久志村域の小学校の教頭や校長を務めていたことから本人も久志小学校に在籍していた。これが縁で緑風学園への図書贈呈になった。同氏はさらに、孫が在校している那覇市立松島小学校にも同様に図書を贈呈しているという。松島小校区で交通指導員を28年前から現在も務めており、その最中、子どもらが小脇に抱えているボロボロになった図書を見たのが贈呈のきっかけという。
 県選出国会議員の秘書を12年務めた後、那覇市議を20年務め、6年前に引退。それを皮切りに琉球新報古島販売店で毎朝4時から新聞配達をし、その報酬を贈呈図書の調達資金にしているという。
 贈呈式当日、図書が届くやいなや、7年生の本好き3人組(平良唯斗君・優大君、仲地海君)が早速図書室へ駆け付け、本を手にしながら松田さん夫妻にお礼を述べていた。
 松田さんは「本を手にした子どもたちのうれしそうな顔が何とも言えない。少なくとも10年で千冊を目標に頑張りたい」と語った。島袋校長は「これまでに527冊もの図書を頂いている。『松田義之文庫』として子どもらも大切に利用している」とお礼を述べた。(嶺井政康通信員)