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具志川グスクと壕、うるま市が文化財指定書を交付 自治会「命の尊さを伝えていきたい」 沖縄


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を受け取る高江洲朝美自治会長(中央)と普天間隆自治会総務部長=15日、うるま市のうるま市役所

 【うるま】9日にうるま市の市文化財に指定された「具志川グスク」と「具志川グスクの壕(ごう)」の文化財指定書交付式が15日、うるま市役所で開催された。グスクと壕両方の所有者となる具志川自治会の高江洲朝美会長と普天間隆総務部長に、嘉手苅弘美教育長が指定書を手渡した。

 具志川グスクは沖縄貝塚時代前期からの遺跡で、現在も具志川のウマチー行事で住民の拝所となっている。具志川グスクの壕は1945年4月4日、当時15~32歳で組織された警防団23人のうち13人が「集団自決」(強制集団死)で、亡くなっている。

 高江洲会長は「今回の指定に重い責任を感じている。平和に向け、命の尊さを伝えていきたい」と話した。これまでも具志川小学校の平和学習で活用しており、指定後は市外からの訪問者もいた。「足場の悪い場所もある。行政と連携して環境を整備したい」と今後の取り組みを話した。

 嘉手苅教育長は「具志川グスクの壕は平和学習のための貴重な資料だ。大切な文化財として一緒に守っていきたい」と話した。
 (金盛文香)