【糸満】旧暦6月25日の「カシチー」に豊年満作などを願う糸満市大里区(上原和市区長)の大綱引きが11日、市大里の高嶺郵便局前で4年ぶりに行われた。集落を東西に分け行われた勝負は、黄色のタオルを頭や首に巻いたアガリ(東之平)が青色のタオルを巻いたイリー(西之平)を激闘の末に制した。
大綱は東西合わせて約110メートル。2年に一度行われる大里の大綱引きは、21年はコロナ下で中止となっていた。大里の綱引きは従来、2回綱を引く決まりで、1回戦(新綱)に勝った方が実質の勝者となるが、負けた方が再戦を願い出て、勝った方は2回戦でわざと勝ちを譲るのが慣習となっている。今回はイリー側の綱が切れたため、1回戦のみ行った。
1回戦で勝ったアガリの区民は太鼓やどらを打ち鳴らし、カチャーシーを踊って勝利を祝った。綱引きの後にはガーエーも行われた。
上原区長は4年ぶりの大綱引き開催について「区民の団結で素晴らしい綱引きができた。大里区の誇りであり、伝統でもあるこの綱引きを継承できるよう区民で団結したい」と話した。
大綱引き初参加の垣花虎生(とらい)さん(10)はアガリで参加。「自分が綱を引いた側が勝ててうれしい。また綱引きに参加したい」と笑顔で語った。
(吉田健一)