沖縄の海難史上最大の旅客船事故 みどり丸沈没事故から60年 久米島で追悼法要


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
慰霊碑に向かい手を合わせる追悼法要の参加者=17日、久米島町の銭田森林公園(浄土真宗本願寺派本願寺沖縄別院提供)

 乗員86人が死亡、26人が行方不明となった久米島定期貨客船「みどり丸」の沈没事故から60年がたった17日、沖縄県久米島町の銭田森林公園にある「みどり丸遭難犠牲者慰霊之碑」前で追悼法要が開かれた。遺族や桃原秀雄町長ら約20人が参加し、犠牲者の冥福を祈った。

 みどり丸沈没事故は沖縄県の海難史上最大の旅客船事故と言われる。

 那覇市泊港沖(通称チービシ)近海で1963年8月17日、那覇と久米島を結ぶ定期貨客船みどり丸が航行中に大波を受け、船客や乗組員ら228人を乗せたまま沈没した。

 追悼法要は浄土真宗本願寺派本願寺沖縄別院が主催した。みどり丸沈没事故の慰霊祭は33回忌を区切りに終了したが、事故から50年の節目に関係者の依頼を受けた同院が実施し、それ以後は毎年、法要を続けている。

 本願寺沖縄別院に勤める僧侶の西脇順照さんは「当時を知る方も少なくなり、みどり丸のことを知らない人も増えている。悲惨な事故があったことを風化させてはいけない。ご遺族が1人でも来てくれる限りは、追悼法要を続けたい」と話した。

(藤村謙吾)