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30人で始まったブラジル移住、現在の字人会は会員5千人に 那覇市の小禄と田原地区28人が移民105年式典へ出席へ


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移民105周年記念式典に参加するためブラジルを訪問する字小禄財産管理運営会の高良正幸理事長(右から3人目)ら運営会のメンバー=9日、小禄自治会館

 【那覇】那覇市の字小禄、田原地域の住民がブラジルに移民して昨年で105年を迎えたことを記念して、字小禄財産管理運営会のメンバーを中心に両地域の住民28人が、11日からブラジルを訪れている。20日にはサンパウロで開かれる記念式典に出席する。

 式典は5年ごとの開催で、本来は昨年の開催だったが、コロナの影響で今年となった。運営会のメンバーらは6年ぶりの式典を前に「世界のウルクンチュ、タバルンチュとの交流を継続発展させたい」と意気込む。
 
 小禄財産管理運営会によると、ブラジルへの移民は小禄村時代の1917年に、20家族30人がサントス港に上陸したのが始まり。移住者は過酷な生活を強いられながらも多くの苦難を乗り越え、今ではさまざまな分野で成功を収めており、現地の字人会の会員は5千人を超える。

 小禄、田原地域の有志がブラジルを訪問するようになったのは97年の80周年記念式典から。2012年からは式典に合わせる形で現地の字人会有志が小禄、田原地域の若者を「文化経済交流生」としてブラジルに招き、さまざまな交流事業に参加させている。

 運営会理事長の高良正幸さん(74)は「移民した方は長い歴史の中で、遠い異国の地においてあらゆる困難に立ち向かい苦労を重ねてきた。現在、あらゆる分野で活躍しており、われわれ小禄、田原の名誉であり誇りだ」と語った。

 交流生として参加している上原一志さん(46)は「移民した方々がブラジルでどう成功したのか彼らの体験を吸収したい」と語った。
 (吉田健一)