沖縄への台湾観光客好調 受け入れ体制 整備急務


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翁長雄志知事(右端)にホテル不足解決などを求めるピーチ・アビエーション台北支社の■壽全CEO(中央)=13日、台湾台北市内 ※注:■は「譫」のゴンベンなし

 台湾から沖縄への入域観光客数が好調に推移している。2014年度は前年度比42・5%増の36万2200人で過去最高を記録した。ことし4~10月までに昨年度の年間実績を突破し36万3千人となった。

沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の平良朝敬会長は「ことしは恐らく42万人に上るだろう」と予測する。台湾観光関連事業者らも沖縄への送客を前向きな姿勢を示しているが、県内の宿泊施設やバス不足など社会インフラの整備状況を懸念する声が上がっている。
 今月12、13の両日、県へ観光客を誘致しようと、翁長雄志知事を団長とする県のトップセールス団が沖縄路線を運航する台湾のクルーズ社や航空会社、台湾北部の桃園市などを訪れた。その際、沖縄側の受け入れ体制の不十分さが浮き彫りになった。
 台湾プロ野球チーム「ラミゴモンキーズ」は16年2月に石垣市で初めてプロ野球千葉ロッテマリーンズと交流試合をする。劉〓廷(りゅうかいてい)社長は「ツアー受け付け初日、500人超の申し込みが殺到した」と離島観光の潜在性の高さを示した。しかし「台湾と石垣間は冬場に定期便が就航されていないため、チャーター便で行くことにした」という。「石垣市のホテルが足りないため、結局チャーター2便で台湾から約300人の参加にとどまった」と残念がった。
 これに対し、平良会長は「沖縄のホテルはこれまで本土客を取るため、部屋を全て本土の旅行代理店に任せてきた。最近は本土に任せた部屋がだんだん海外の客にシフトしている。部屋不足の問題は恐らく解決するだろう」と説明した。
 一方、1997年から沖縄と台湾間にクルーズ船を定期運航しているスタークルーズ社(本社・香港)の台北支社は、今月6~9日まで台北市で開かれた台北国際旅展(ITF)に出展し、来年4月以降の沖縄へのツアー客1万5千人を獲得した。
 しかし、盧冠群(ろかんぐん)社長は「これまで那覇と石垣島を中心に寄港してきた。沖縄は他にも西表島など、きれいな島があると聞いており、本島北部へも寄港したいので、ぜひバースの整備をしてほしい」とインフラの整備を求めた。
 今後、成長する海外からの観光旅行者を誘客するには、ハードとソフト両面の受け入れ体制の整備が急務だ。
(呉俐君)

※注:〓は王ヘンに「介」