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避難シェルター調査で1億2千万円 南西諸島の有事想定が加速 内閣官房が概算要求方針


この記事を書いた人 琉球新報社

 【東京】内閣官房は22日までに、2024年度概算要求で、台湾有事を想定し、石垣、与那国、宮古の各島などでの住民用の避難施設(シェルター)の設置に向けた調査費用として1億2千万円を新たに求める方針を固めた。

 関係者によると、内閣官房はシェルターについて、技術的な仕様指針であるガイドライン策定費用として5千万円、適地調査などの費用として7千万円の計1億2千万円を新たに求める。官邸危機管理センターの機能強化のために必要なシステム改修の費用などとして3億3300万円を求める。

 シェルターをめぐっては、沖縄などの南西諸島を念頭にした「避難施設の確保」について、昨年12月閣議決定の「国家安全保障戦略」、今年6月の「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太方針)」で明記されたことを踏まえて24年度概算要求に盛り込んだ。

 宮古島市、石垣市、与那国町、竹富町から政府側にシェルター機能を備えた施設整備への財政支援を求める要請が相次いでいる点を踏まえ、公共・公用施設の地下にシェルター機能を付加することを想定しているという。

 緊急事態への対処や危機管理体制の維持・強化のための費用には16億6500万円を求める方針。23年度当初予算12億3300万円から約4億円を積み増して求める。台湾有事を想定した国民保護計画の一環で、沖縄を含む南西諸島での台湾有事を想定した備えがさらに加速する見込みだ。
 (安里洋輔)