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滑走路の延長を 八重山事務組合議会が沖縄県に要請 「台湾有事」見据え


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前川智宏土木建築部長(右から3人目)へ要請書を手渡す八重山広域市町村圏事務組合議会の箕底用一議長(同4人目)=22日、県庁

 八重山広域市町村圏事務組合議会の議員らは22日、県庁に前川智宏土木建築部長を訪ね、八重山圏域での空港滑走路の延長、航空路の早期再開を要請した。組合議長の箕底(みのそこ)用一氏は「台湾有事」が起きた際の住民避難についても言及し「滑走路の延長は、昨今の世界情勢を見ても緊急的だ」と述べた。

 要請対象は新石垣空港、波照間空港、与那国空港の3空港。そのうち新石垣空港に関して前川土建部長は、乗降客数増加などの理由から「今後需要が高まることが見込まれる場合、滑走路の延長の可能性はある」とした。一方、時期など具体的な詳細については言及を避けた。波照間空港と与那国空港は、民間の航空会社から整備要望がないことなどから現時点では早急な延長の可能性はないとした。

 有事の際の国民保護に関し、政府が昨年末に閣議決定した「安全保障関連3文書」では沖縄や周辺離島が島しょであることを踏まえ、平時における訓練も含めて有事の際には公共インフラを活用する方針を示している。一方、県民からは平時からの軍事的利用に懸念の声が上がり、玉城デニー知事は2022年11月の県議会で「基本的に県管理の港湾、空港などの管理運営については、県と十分な事前協議が必要だ」として、公共インフラの軍事利用をけん制した。
 (與那原采恵)