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沖縄予算2920億円を提示 内閣府案 概算要求、9年ぶり増も県の要望に届かず 24年度


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 【東京】内閣府は23日、2024年度の沖縄関係予算を2920億円とする概算要求案を自民党の沖縄振興調査会(小渕優子会長)に提示した。金額を示さない「事項要求」も求める。23年度当初予算から241億円増。県が使途を決められる沖縄振興一括交付金は、同26億円増の785億円を計上した。いずれも概算要求では9年ぶりの増額となるが、年末に決まる当初予算で総額3千億円台、一括交付金1千億円台とする県の要望には届かない見込みだ。

 会合終了後に取材に応じた調査会の宮崎政久事務局長は、概算要求案について「小渕会長に一任することで合意した」とした。内閣府が示した原案通りに財務省に要求するものとみられる。

 概算要求案では、24年度中に事業完了を目指す、西普天間住宅地区跡地への琉球大学医学部・琉大病院の移設事業について、23年度当初予算から110億円増の253億円を計上した。ウクライナ危機などによる資材費の高騰を考慮して大幅に積み増した。

 一括交付金は「ソフト」を同14億円増の404億円、「ハード」を同13億円増の381億円とする。

 国が自治体などに直接交付する「沖縄振興特定事業推進費」は23年度当初予算と同額の85億円。

 課題とされる「子どもの貧困」の関連事業は同2億円増の19億円を求める。岸田文雄政権が示す「強い沖縄経済」の実現に向け、観光、IT関連産業、科学技術・産学連携―の各分野でいずれも増額要求する。
 (安里洋輔)