未明に鳴り響いたJアラートに沖縄県民の反応は… 物々しさに「騒ぎすぎ」と冷めた見方も


この記事を書いた人 琉球新報社
朝焼けの中、上空に向けて構えるPAC3の発射機=24日午前6時10分ごろ、石垣市南ぬ浜町

 北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げた24日未明、県内で多くの住民が寝静まる中、全国瞬時警報システム(Jアラート)が鳴り響いた。最初の発表は午前4時前、テレビで避難を呼びかける速報が流れ、各自治体で防災無線が放送されるものものしい雰囲気が漂った。一方で、夜が明けると、早朝からいつも通りウオーキングや花への水やりをするなど、住民は普段と変わらぬ日常を送った。地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備されている石垣市や宮古島市の市民からは、「騒ぎ過ぎだ」「対応している自衛隊に感謝だ」との声が上がった。

 石垣市でPAC3が展開されている南ぬ浜町。午前5時半から日課のウオーキングをしていた男性(84)は衛星発射を「特に気にしていない。騒ぎ過ぎだ」と冷静に語った。歩道からフェンス越しに見えるPAC3の発射機や関連車両を横目に、「南ぬ浜町は平和的な使用のために埋め立てられたと思っていたが、軍事的なことで使用されていて異様だ」と嘆いた。

 同市八島町の道路沿いの花に地域の当番として水やりをしていた50代会社員の女性はJアラートで目を覚ました。高齢の親と暮らしており、真っ暗でどこに逃げればいいのか分からなかったと戸惑った。国防を考えると「自衛隊に感謝」の思いはあるが、PAC3の配備は他国から「狙われるのではと怖い思いもある」。

 宮古島市平良で通勤途中の女性(32)は「小さい子どもと寝ていたので、暗い時間帯のJアラートに驚いた」と振り返る。日本政府の対応にも疑問を呈し「北朝鮮に対し騒ぎ過ぎだ。これまでも北朝鮮の発射はあったのに、5月と今回は特に大騒ぎしている印象。日本の反応が大きければ北朝鮮を喜ばせるだけ。少し冷静に対応した方がいいと思う」と指摘した。

 那覇市の公務員の男性(50)は「スマホの緊急警報が鳴ってはいたが、怖いという感じはなかった」と淡々と語った。
 (照屋大哲、友寄開、玉寄光太)

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