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なぎなた男子、知念高・瀬長が県勢初頂点を目指す 幸村杯へ「挑戦者の気持ち」


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幸村杯で県勢初の優勝へ挑む瀬長拓夢(知念)=24日、与那原町の知念高校(屋嘉部長将撮影)

 なぎなたの幸村杯第8回大会が27日、和歌山県で開催される。全国高校総体では女子の首里が団体試合と演技で全国一になるなど、沖縄の“お家芸”となっている。高校の男子競技は全国総体の種目ではないため、幸村杯が夏の全国大会となる。その幸村杯に3月の選抜大会で優勝した瀬長拓夢(知念)が、県勢初制覇と2冠を目指す。瀬長は「幸村杯は優勝したことがないので、挑戦者の気持ちで挑みたい」と柔和な表情で頂点を狙う。

 瀬長が中学時代に指導を受けた祖母の真栄城紀子さんや、全国高校選手権で団体での2連覇や海邦国体で総合優勝し、現在は指導者として活躍する母・睦子さん、演技で全国総体3位の姉・桃子さんがいる、なぎなた一家で育った。5歳から本格的に競技を始め、小学生から全国大会で上位の成績を収めていた。

 女子に比べて男子はスピードがあり、技も多彩になる。知念に進学すると県内の高校で唯一の男性指導者である瑞慶山良作監督から男子特有のスピードや技、間合いなどを学び、3月の選抜大会で優勝した。瑞慶山監督は「ほかの選手の多くが勝負できる打突が一つしかないが、面、小手、すねどれでも勝負できるのが強み」と瀬長の強さを語る。

 昨年、初出場した幸村杯は2位だった。当初は満足感はあったが、日に日に悔しさも出てきた。武器であるスピードのある打突の強化だけでなく、連続技の取得や打突後に体勢を崩さないような腕の使い方を強化してきた。「びびらず逃げ出さずにまっすぐ勝負したい。2冠は意識せず、一戦一戦ベストを尽くしたら、結果はついてくる」。県勢初の偉業に向け、なぎなたを振る。

(屋嘉部長将)