岸田文雄首相は26日、首里城公園内で観光業界関係者6人と意見交換する「車座対話」を開いた。コロナ禍からの入域観光客数の回復が進む中、出席者らは人手不足の解消や国際リゾート地形成に向けた首脳級会議の開催、地域の伝統文化と観光を両立していく必要性などを提起した。
沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、観光業界の人手不足対策を念頭に、若者を引きつけるため「観光産業の信頼回復と地位の向上が必要だ」として政府の支援を求めた。
また、首里城正殿の復元が予定される2026年に合わせ、世界の首脳や文化・観光担当相を集めた会議を沖縄で開催し「日本の多様性、沖縄の価値を世界に発信すべきだ」と提案した。
宮古島観光協会の大泊千尋青年部長は、観光客の増加で商業施設も増え、島民にとって便利になった面もある一方で、元々暮らしていた人たちが行きづらい場所が増えていると指摘し、島民や関係業者がともに問題について考える必要性があると語った。
国頭村観光協会の比嘉明男会長は、世界自然遺産登録で多くの観光客の訪問が見込まれるやんばるの森について「どのようにコントロールするかが重要だ」と述べた。
対話にはこのほか、平良朝敬氏(かりゆしグループ会長)、玉沖仁美氏(紡社長)、知念冬馬氏(知念紅型研究所社長)が出席した。司会は高橋一郎観光庁長官。 (知念征尚)