「平和な世界」決意新た 対馬丸、奄美で慰霊祭


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「対馬丸」の慰霊祭で献花する宇検集落の津田直隆区長=26日午前、鹿児島県宇検村

 太平洋戦争後期の1944年8月、沖縄を出港した後に米潜水艦に撃沈され、学童ら約1500人が犠牲になった「対馬丸」の犠牲者を悼む慰霊祭が26日、鹿児島県・奄美大島の宇検村で営まれた。多くの遺体が漂着した海岸に建立された慰霊碑前には地域住民のほか、沖縄県の照屋義実副知事ら約50人が参列。献花し、平和な世界を築く決意を新たにした。

 宇検集落の津田直隆区長(69)は「過去の戦争を教訓とし、争いのない日々が続くことを願う」と式辞を述べた。照屋副知事は、漂着した犠牲者を丁重に葬った当時の村民への謝意を表明した。

 慰霊祭後には、那覇市で対馬丸の歴史を継承する施設を管理運営する対馬丸記念会のメンバーが撃沈された経緯を説明。子どもたちが真剣な表情で耳を傾けていた。

 対馬丸は、長崎に向けて出港した翌日、鹿児島県・トカラ列島沖で撃沈された。