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バスケW杯日本初勝利 終盤怒濤の大逆転 河村軸に速さで圧倒 あきらめず粘り猛攻


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は27日、沖縄市の沖縄アリーナなどで行われ、1次リーグE組第2戦で世界ランキング36位の日本は同24位のフィンランドに98―88で逆転勝ちし、1勝1敗とした。初戦のドイツ戦で敗れた日本は序盤に比江島(宇都宮)が攻撃の軸になったが、前半を36―46で折り返した。後半は富永(ネブラスカ大)の3点シュートなどで追い上げ、第4クオーターに河村(横浜BC)の活躍で逆転した。フィンランドは2連敗。E組のもう1試合では世界11位のドイツが同3位のオーストラリアに85―82で競り勝ち、2連勝とした。オーストラリアは1勝1敗。日本の次戦は29日午後8時10分から、強豪オーストラリアと対戦する。

【1次リーグ】
▽E組
日本 1勝1敗
 98―88(22―15,14―31,27―27,35―15)
フィンランド 2敗


日本―フィンランド 第3Q、ドライブからシュートを決める日本の河村勇輝=27日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 地元の大歓声に背中を押され、日本がW杯で前身の2006年世界選手権パナマ戦以来、17年ぶりの白星をつかみとった。フィンランドはNBAジャズのエース、213センチのマルッカネンを筆頭に、200センチ超が6人の大型チーム。平均身長で7センチ下回る日本は「高さで負けるのは仕方ない。運動量と速さで勝負する」(渡辺)とチームの戦い方の原点を再確認して臨み、見事な逆転勝利を飾った。

 ホーバス監督は今の日本代表の一つの強みを「ネバーギブアップ」と粘りの姿勢にあると力説する。10点のリードを許して迎えた第4クオーターでも誰も諦めない。守備で猛烈に圧力をかけ、富永や河村の3点シュートなどで猛追。残り5分を切って、若き司令塔の河村がファウルを受けながらレイアップをゴールにねじ込み、ついに78―78の同点。フリースローも沈めて勝ち越し、さらに河村の3点シュートやホーキンソンの得点などで突き放した。奪ったリードを最後まで一丸で守り抜いた。

 日本は前回19年W杯では5戦全敗。一昨年の東京五輪でも3戦全てで敗れていたが、敗北の歴史についに終止符を打った。「いい準備をした。自分たちのバスケをやれば勝てる」と自信をのぞかせていた監督。対欧州勢のW杯での連敗も11で止め、沖縄アリーナを熱狂の渦に巻き込んだ。

(共同通信)