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沖縄バスケへの“愛”が凝縮 バスケットボールマガジン「琉球バスケ王国」発刊 高校バスケからキングス、W杯特集まで網羅


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
バスケットボールマガジンの企画・構成をした小永吉陽子さん(右)と、1994年に安慶田中で全国準優勝し、北中城高に進学した西田(旧姓・安谷屋)陽子さん=28日(提供)

 FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)開催に合わせて「琉球バスケ王国 沖縄から世界へ、歴史を旅する」と題した「バスケットボールマガジン」(ベースボール・マガジン社出版)が県内の書店で販売されている。編集部から「沖縄バスケ愛がある本を作ってほしい」と依頼され、特に1990年代に沖縄で取材したフリーライターの小永吉陽子さん(55)が企画、構成を手がけた。

 雑誌はBリーグで初優勝をした琉球ゴールデンキングスや沖縄バスケの歴史、世界で活躍する県勢選手の紹介やW杯特集など、沖縄バスケを幅広く網羅した。

 バスケ専門誌「月刊バスケットボール」で高校担当をしていた小永吉さん。雑誌の軸に据えたのは1994年、全国総体で準優勝した北中城高だ。この夏は男子・長嶺中が全国制覇、女子・安慶田中も全国準優勝しており、県勢が躍進していた。

 小永吉さんは北中城高主将の新垣雅志さんに「県予選を見ないとダメ」と指摘されたことを受け、94年9月にウインターカップ県予選を取材した。そして「こんな光景は本土ではありえない」と衝撃を受ける。体育館のコートサイドを人が埋め尽くしていたのだ。

 北中城と北谷の決勝は両校とも選手層が厚かった。「どちらが勝っても全国ベスト8は確実」という試合を見て、沖縄バスケのとりこになった。「ただ強いのではなく、規律の中にもおおらかさがあった」と振り返る。

 小永吉さんは「琉球バスケ王国」のほか、バスケットボールマガジン「トム・ホーバスの全貌」や雑誌「Number」など計5冊の雑誌にW杯関連で執筆している。「ここまで沖縄について書いたW杯本はないと思う。特集の『沖縄バスケ愛を語れ』と『1994年夏』は県外を経験した人が沖縄への思いを語っている。ぜひ沖縄の人に読んでほしい」と呼びかけた。雑誌は税込み1590円。
 (古川峻)