教師の業務量「やめる・変える・減らす」が鍵 西原中がワークショップ 「生徒の視点」欠かさず、地域と考える 沖縄


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西原中学の教員の働き方について議論する同校教員ら=16日、西原町中央公民館

 教師も子どもも元気で活躍できる学校を実現しようと西原中学校が16日、西原町中央公民館で働き方を考えるワークショップを開いた。就業時間内に終えることが難しいほどの業務量が課題となっていることから、現在教師が担っている業務を「やめる・変える・減らす」の観点から見直した。平良真也校長は「働き方改革は時間がかかる。今日で結論が出るわけではないが、みんなで一緒に取り組むことが大事だ」と話した。

 「教師の働き方改革には学校・生徒・地域の相互理解が必要不可欠」として、ワークショップには同校教員32人の他に昨年の卒業生8人、PTA役員や町教育委員会、町議らも参加した。10人程のグループに分かれ、特に「生徒の視点」を見失わないよう意識しながら議論した。

 部活動指導の外部委託について話し合った場面では、賛成する卒業生の意見に注目が集まった。卒業生は「(西原中で)合唱部と吹奏楽部にいたとき、指導者は外部の専門家が来ていた。とても勉強になった。上達したと思う」と理由を説明した。さらに「専門的な指導者がいたことで、顧問の先生は負担が軽くなったのではないか。先生の気持ちに余裕があったからこそ、『全国にいきたい』という私たちの気持ちに応えてくれた気がする」と語った。同じグループにいた男性教師は、卒業生の話にうなずきながらも「外部委託はその専門家に教育的視点が備わっているかなど、課題もある。保護者との意見交換も必要だ」と話した。

 別のグループでは、放課後のトラブルについて議論した。生徒が下校後にトラブルを起こした場合、教師の就業時間に関係なく、担任教師にその対応を求めることが多い。ワークショップに参加していた町議の伊集悟さんは「教育の全てが学校で行われるわけではない。家庭教育もあるし、昔は地域の大人が子どもたちを叱ったり褒めたりしていた。保護者、地域住民と話し合う場がもっと必要だ」と述べた。
 (嘉数陽)