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地域の絆を「綱引き」で強まる 旗頭や棒術、子どもたち躍動 沖縄・西原


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勝負の時、雄綱と雌綱を合わせるため綱を寄せる住民ら=13日、西原町小波津

 【西原】西原町小波津自治会(小波津美和会長)は13日午前9時から綱を作り、夕方に三本ガジュマル前の通りで綱引きを開催した。

 ドラや太鼓、ほら貝が鳴り、子どもたちの棒術が始まった。一人棒を初お披露目した瀬名波圭佑さん(西原南小1年)は「だんだんうまくなってきて今日は上手にできた」とハキハキと答えた。父の誠さん(48)は「2カ月前から練習してきた。七年マール(十五夜村遊び)にも棒術と組踊に出る」と目を細めた。

若者が2本の旗頭を持ち上下に揺れるのを見守る小波津伝統芸能保存会のメンバーら

 子ども旗頭を小学生らに体験させた。大人が補助をして「足を広げて、腰を落として」と姿勢を伝授していた。その後、一般の旗頭のガーエーを行い、二つの旗頭が上下に揺れた。最高潮に達した頃、綱引きは2回行われ、1回目は北(ニシ)が2分30秒の末勝利した。2回目は新島(ミージマ)が雪辱した。

 北の綱頭、小波津勝弘さん(59)は「名勝負だった。勝った要因は北の粘り強さと、綱作りの場を新島の皆さんが提供してくれたので、立派な綱ができたこと。新島の皆さんありがとう」と語った。新島の綱頭、小波津敬さん(58)は「今日は遠慮した。次は借りを返しましょうね」と笑った。

 小波津美和会長は「4年ぶりの開催に綱作りに50人、女性も13人集まり多くの手があった。皆さんの繁栄がありますように」とあいさつした。
 (小波津昭子通信員)