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日米の訓練「レゾリュート・ドラゴン23」とは 沖縄各地で「島しょに侵攻」想定し実施


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昨年11月の日米共同統合演習「キーン・ソード11」で、米軍のMV22オスプレイと連携してけが人の空輸搬送訓練を行う自衛隊員ら=2022年11月15日、米軍キャンプ・フォスター(ジャン松元撮影)

 陸上自衛隊と米海兵隊が10月14~31日に予定する実動訓練「レゾリュート・ドラゴン23」は、日米共同で島しょに侵攻してくる敵に対応することを想定している。特に県内では部隊指揮や情報共有、兵たん、衛生に関する連携強化を図る。関係者によると、県内各地で訓練が計画されている。離島などに分散して戦う海兵隊の戦略構想「遠征前方基地作戦(EABO)」の拠点に見立てているとみられる。

 那覇駐屯地など県内各自衛隊施設に日米が部隊指揮をすり合わせる調整所を設置する。石垣市や与那国町など先島諸島、久米島町で米海兵隊員がそれぞれ数十人規模での訓練参加を調整している。与那国では島しょ防衛や国民保護に関する机上訓練や陸自ヘリによる人員・物資輸送訓練を実施する予定。

 自衛隊那覇病院には、各地から負傷者を輸送して日米共同で対応する医療拠点を設ける予定。衛生訓練の一環で那覇基地ではCH47が離着陸する可能性がある。キャンプ・コートニーやキャンプ瑞慶覧では警備訓練が計画され、夜間訓練や空砲を使用した訓練が実施される可能性もある。

 物資を輸送したり集積したりする兵たん訓練では、那覇港湾施設(那覇軍港)や牧港補給地区、ホワイトビーチ、天願桟橋、嘉手納基地、嘉手納弾薬庫地区を使用する見通し。渡名喜村の出砂島射爆撃場(入砂島)で日米共同での実弾射撃訓練を実施する計画もある。

 奄美大島(鹿児島県)や北海道でも訓練を展開する。全体で陸自から約2800人、米軍から約1400人が参加する。
 (明真南斗)


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