有料

日本バスケW杯、渡辺、エースの存在感でオーストラリアに一矢 連続金星は逃す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
日本―オーストラリア 第1Q、ディフェンスをかわしてシュートを決める日本の渡辺雄太=29日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は29日、沖縄市の沖縄アリーナなどで行われ、1次リーグE組最終戦で世界ランキング36位の日本は同3位のオーストラリアに89―109で敗れた。1勝2敗で同組3位となり、31日からの順位決定リーグに回ることになった。日本は3点シュートの成功率が上がらず、オーストラリアの高さと速さを生かした攻撃にも苦しみ前半を35―57で折り返した。後半は激しい守備と渡辺(サンズ)、ホーキンソン(SR渋谷)の奮闘で粘ったが、及ばなかった。E組のもう1試合では世界11位のドイツが同24位のフィンランドに101―75で圧勝して3連勝。フィンランドは3連敗となった。

 パティ・ミルズや、ジョシュ・ギディーらNBAで活躍する選手を擁する格上のオーストラリアを相手に、日本代表は最後まで勇気を持ってゴール下へ切り込み、最大27点差からの逆転を目指した。最後は地力で勝るオーストラリアに引き離されたが、見せ場を何度もつくり、チーム力を発揮した。

 日本は河村勇輝、比江島慎、渡辺雄太、ジョシュ・ホーキンソン、馬場雄大が先発。オーストラリアにインサイドのミスマッチを突かれ、序盤から先行された。スリーポイントでなんとか食らいついたが、第3クオーター(Q)の残り3分で27点差がつくなどリードを広げられた。

 厳しい状況の中、富樫勇樹や渡辺が3点弾を沈め、厳しいプレスディフェンスで相手のミスを誘い猛追した。第4Q残り6分15秒、渡辺がスリーを決めて14点差まで詰め寄るなど、追い上げムードを演出した。だが、最後はオーストラリアのギディーのディープスリーなどで離された。

 この日、ホーキンソンとともに最長の36分出場したのが渡辺だった。ワールドカップ直前に負傷して、開幕前には「どこまでできるか分からない」(トム・ホーバス監督)とされていた。

 万全の状態ではない中、3点弾3本を決め、勝負どころでバスケットカウントを獲得するなど、24得点とエースの役割を果たした。
 (池田哲平)