沖縄労働局(西川昌登局長)は30日、2023年度の県内最低賃金(最賃)について、沖縄地方最低賃金審議会(島袋秀勝会長)の答申通り、時給896円に引き上げることを決定した。現行の時給853円から43円の増額となり、引き上げ幅は過去最大となった。早ければ9月8日に官報に公示され、10月8日に発効する。
沖縄審議会は30日に那覇第二地方合同庁舎で第5回会合を開催。時給を896円とする14日の答申に対し、1500円への引き上げを求める労働団体からの異議申し出について審議した結果、答申内容は妥当で再審議の必要性はないと判断した。島袋会長は「14日付の答申通り決定することが適当」とし、改めて西川局長に答申した。
会合では、「県畜産食料品製造業」と「県清涼飲料、酒類製造業」に適用されていた特定最賃についても審議し、9年間改定がない状況などを踏まえ廃止を決定した。特定最賃は地域別最賃額を上回るよう定めている。廃止後は県内最賃が適用されることになる。
2023年度の全都道府県の最賃引き上げ額は全国平均で時給43円増の1004円になった。沖縄は、国の中央最低賃金審議会が示した引き上げ目安の39円に比べ4円高い43円の引き上げ額で決着した。最賃を引き上げやすい環境整備のため、中小企業や小規模事業者への国などによる支援強化を要望する付帯決議を付けた。
(謝花史哲)