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過去最大、防衛省の概算要求7.7兆円 沖縄各地でも施設整備


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
防衛省

 防衛省は31日、2024年度予算の概算要求を決定した。昨年に続いて過去最大を更新する7兆7385億円を計上した。主要司令部の地下化や弾薬庫整備など自衛隊施設を強化する費用については23年度当初予算の約1.7倍に当たる約8043億円を盛り込んだ。沖縄県内各地でも防衛力の強化に向けた施設整備を計画している。

 陸上自衛隊沖縄訓練場(沖縄市)で補給拠点を新設する計画に関し、火薬庫や隊庁舎などを整備するための調査設計費として約23億円を計上した。

 航空自衛隊久米島分屯基地で固定式の警戒管制レーダーFPS4から、次期警戒管制レーダーへの更新を進めるため、局舎整備などの約41億円を盛り込んだ。北大東村への空自移動式警戒管制レーダー配備計画については、検討中のため配備先を限定しない形で調査設計費約6億円を計上した。

 那覇駐屯地については第15旅団の師団化などに向けた新たな隊庁舎整備に関連する経費約47億円や司令部地下化に向けた経費約4億円が計上された。那覇基地で既存火薬庫の改修も予定されている。

 南西地域での医療拠点とみる自衛隊那覇病院について、建て替え・機能強化に向けた調査設計費約11億円を盛り込んだ。有事に負傷した自衛隊員などに使う輸血用血液製剤の確保・備蓄に関して冷凍庫などの購入で約4千万円を計上している。

 南西諸島への展開を念頭に輸送力向上や国民保護に関係する経費として約5951億円を盛り込んだ。陸海空3自衛隊共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を広島県呉市に100人規模で新編する。南西地域の島しょ部に部隊や物資を運ぶため、小回りの利く機動舟艇3隻を約173億円で購入する計画だ。ヘリ33機も取得する予定。

 3自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」を24年度末に240人規模で設置する計画も打ち出した。敵基地攻撃能力(反撃能力)につながる長射程ミサイルの開発・購入などに約7551億円を計上している。