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移転先を再検討のごみ焼却炉、建設地募集に推薦なし 南部広域行政組合 「返事を待っている状況」踏まえ期間を1カ月延長


この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎
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 【南部】糸満市、豊見城市、南城市、八重瀬町、与那原町、西原町のごみ焼却炉の建設計画に取り組む南部広域行政組合(理事長・古謝景春南城市長)は31日までに、新炉の建設候補地の推薦期間を1カ月延ばし9月末までにすることを決めた。当初は8月末を期限としていたが、これまでに推薦はなく、複数の自治体から「自治会に候補地の説明を行い、返事を待っている状況だ」との報告があり延長を決めた。

 6市町は現在、糸満市と与那原町の焼却場でごみを処理しているが、老朽化で新炉が必要となっている。新炉の候補地は構成6市町から最終処分場を現在担っている南城市と、輪番制で次期予定地となる八重瀬町を除く4市町から募っている。

 南部広域行政組合は、2037年の供用開始を目標に、新炉の基本計画(概要)を25年5月までに策定する計画。組合事務局は「時間的に大変厳しい」として、10月にも6市町の首長で理事協議会を開く予定だ。

 一方、6市町が輪番制で担う最終処分場は、現在稼働する「美らグリーン南城」(南城市)が33年に満杯になる。次期予定地を担う八重瀬町は候補地選定を進めており、12月27日までに複数の候補地を組合に報告する。

 最終処分場の候補地の条件は(1)面積2・5ヘクタール程度(2)建造物が少ない―など。八重瀬町は8月に一般廃棄物最終処分場推薦候補地検討委員会を発足し、町内34の自治会にも候補地推薦を求めている。

 6市町のごみ焼却炉については19年8月に、最終処分場と合わせて八重瀬町具志頭に建設することを決めていた。しかしその後、予定地にある養豚業者の移転に時間がかかることや高額な移転費用が判明し、ことし5月に建設計画を白紙撤回した。
(岩切美穂、岩崎みどり)