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政府の沖縄予算に県経済界の反応は? 2024年度概算要求


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 内閣府が2024年度の沖縄関係予算について2920億円を要求した。23年度当初予算から241億円増額となることや、観光業の人材確保や揮発油税の軽減措置など沖縄振興税制の延長などが盛り込まれたことに、県内の各経済団体からは期待や評価の声が相次いだ。一方で、エネルギー価格の高騰に触れ「特別措置を含めた配慮を求めたい」との声も上がった。

 県経済団体会議の議長を務める県商工会議所連合会の石嶺伝一郎会長は「経済団体で新たに要望した観光地にふさわしい景観の整備、沖縄観光の人材確保に向けた予算を盛り込んでいただいたのは大変ありがたい」と評価。期限切れを迎える揮発油税の軽減措置など4項目の沖縄振興税制の3年延長要求に「全てを延長していただけるよう、経済団体としても要請活動を行っていきたい」とコメントした。

 県経営者協会の金城克也会長は、観光人材不足対策や観光景観モデル事業など新たな取り組みに加え、一括交付金、クリーンエネルギー導入支援、スタートアップ促進支援が強化された内容に「強い沖縄経済の実現に向けた新規事業や増額を評価したい」と話した。

 沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「観光人材育成や景観整備など観光関連が別項目として要求してもらえているのはうれしい」と歓迎した。

 エネルギー高騰への配慮を求める声も上がった。県工業連合会の古波津昇会長は県に延長を要請した電気料金の支援などを踏まえ「地域ごとにメニューを設定するという表現があった。ガソリン、エネルギー問題への対応を注目したい」とした上で、「燃料調整の影響を受けやすいところへは特別措置を含め配慮してもらえるよう引き続き求めていきたい」と語った。

 JA沖縄中央会の普天間朝重会長は概算要求が9年ぶりの増額となったことに着目。前向きに評価した上で「現状の厳しい農業情勢からの脱却と、生産回復に向けて必要な予算確保を図ってほしい」と期待した。
 (謝花史哲まとめ)