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外観はあの議事堂をモチーフ 沖縄県が新設「危機管理センター」とは 2025年度に完成予定


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この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県が2025年の完成に向け整備を進める防災センター棟(仮称)のイメージ図(県提供)

 災害対策強化のため、沖縄県が整備に向け検討を進めていた県防災危機管理センター棟(仮称)の概要が分かった。外観は建設地にかつてあった旧立法院議事堂をモチーフにした、縦格子を日よけとしてあしらう。平常時には防災に関する展示室や、自主防災組織などの団体が研修や交流をできる場とし、県民が防災について学べる環境を作ることも検討する。

 9月1日は関東大震災から100年の節目となる「防災の日」。センター整備で防災意識を高めることにもつながりそうだ。

 整備場所は県本庁舎と警察庁舎の間で延べ床面積約6918平方メートル。2023年度内に工事を発注し、25年度の完成と運用開始を目指す。総事業費は約70億円を見込む。

 1階部分は災害時に情報発信を行うプレスセンターや庁舎管理を行う中央監視室を設置する。

 2階は災害時に警察が設置する災害警備本部、3階に県の災害対策本部が設置される会議室を設ける。現在は県本庁舎にある防災危機管理課も移転する予定だ。

 県の災害対策本部は現在、県庁舎5階に設置されているが、対策本部が常設でなく、職員の活動や、自衛隊、警察、消防から援助を受けるスペースの不足が課題だった。

 5階部分に72時間稼働する発電機を設け、防災対応力を強化する。現在、停電時の非常用発電機は県庁地下2階に設置されており、浸水で停止する懸念がある。連続稼働時間は48時間と国の目安(72時間)を満たしていなかった。新棟完成後は、新棟から本庁舎や議会棟などに送電する。

 県担当者は「災害時も本庁舎機能を継続させ、県民の生命、身体、財産の保護と生活の安全の確保、地域防災力の向上につなげたい」と語った。
 (知念征尚)