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渡辺「やっと報われた」 試合後、涙に言葉詰まらせ バスケW杯 五輪決定


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パリ五輪出場を決め、日の丸を広げて喜ぶ渡辺雄太(小川昌宏撮影)

 大黒柱・渡辺雄太は先発から最後までコートを駆け抜け、日本の爆発的攻撃を支えた。試合後には涙を浮かべ、日の丸を背に両手を掲げた。

 第1クオーター(Q)序盤には2―2の均衡を破るダンクシュートをたたき込む。バスケットカウントとなり、フリースローも決めた。ディフェンスは吉井裕鷹とともに2枚の壁で相手を阻んだ。ディフェンスリバウンドはチーム最多の10を記録した。パリ五輪出場権を獲得できなければ、日本代表からの引退を宣言していた。「やっと報われた。今日が最後になる不安もあった。みんなのおかげだ」。涙に言葉を詰まらせながら、特別な勝利をかみしめた。

(名波一樹)


 日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は2日、沖縄市の沖縄アリーナなどで行われ、順位決定リーグのO組最終戦で世界ランキング36位の日本は同64位のカボベルデに80―71で勝ち、アジア最上位で来年のパリ五輪出場権獲得を決めた。自力での五輪出場は1976年モントリオール大会以来となる。日本は今大会の通算成績を3勝2敗とし、順位決定リーグのO組1位でアジア最上位となった。W杯で日本の2連勝と同一大会での3勝は初めて。日本は17―19で迎えた第2クオーター早々に逆転。河村(横浜BC)のドライブや富永(ネブラスカ大)の精度の高い3点シュートに加え、ホーキンソン(SR渋谷)もゴール下で活躍して得点を重ねた。終盤の相手の追い上げもしのいだ。8月30日までの1次リーグでアジア勢は日本が唯一1勝を挙げたが、全6チームが2次リーグ進出を逃した。アジア最上位が獲得するパリ五輪出場権は、順位決定リーグで争われていた。