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河村、躍動の14得点 吉井、逆転のアシスト 日本代表の勝利に貢献 バスケW杯 五輪決定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
日本―カボベルデ 第1Q、ゴール下へドライブする日本の河村勇輝(小川昌宏撮影)

 172センチの河村勇輝が、平均身長198センチのカボベルデの守備をものともせず、電光石火のようなドライブで中へと切り込んで、ゴール下から立て続けにシュートを決めていった。フィンランド戦で連続3点弾を決め、逆転勝利を引き寄せた好調さを最後の試合でも見せた。

 この日の試合ではジョシュ・ホーキンソン、富永啓生に次ぐ14得点を挙げた。ボールを持つと、シュートを放つだけでなく相手を引きつけることで、富永らからマークを引きはがしてシュートをお膳立てするなど、PGとして試合をつくった。

 試合後のインタビューで「すごくうれしい。アジア1位だけを目標に日々頑張ってきた。まずはこの報われた瞬間を、全員で喜んでいいんじゃないかと思う」と言葉をかみしめた。

(砂川博範)


日本―カボベルデ 第2Q、ディフェンスを引きつけて、ジョシュ・ホーキンソンにアシストする日本の吉井裕鷹(小川昌宏撮影)

 派手さはない。それでも吉井裕鷹は確かに日本勝利の立役者となった。

 第2クオーター(Q)でカボベルデの背中を追った日本。1点差まで詰めた残り9分弱、パスを受けた吉井が中央から切り込む。間隙(かんげき)を縫うパスをジョシュ・ホーキンソンへと送り、逆転の1本へのアシストを成功させた。ディフェンスでは体を張って相手を阻み続ける。相手の速攻にも食らいつく。緊迫の第4Q終盤では3点弾に飛びつき、無得点とした。

 4個のファウルをもらってなお執念のディフェンスを見せ続けた吉井。五輪への切符は彼なしにはつかめなかった。

(名波一樹)


 日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は2日、沖縄市の沖縄アリーナなどで行われ、順位決定リーグのO組最終戦で世界ランキング36位の日本は同64位のカボベルデに80―71で勝ち、アジア最上位で来年のパリ五輪出場権獲得を決めた。自力での五輪出場は1976年モントリオール大会以来となる。日本は今大会の通算成績を3勝2敗とし、順位決定リーグのO組1位でアジア最上位となった。W杯で日本の2連勝と同一大会での3勝は初めて。日本は17―19で迎えた第2クオーター早々に逆転。河村(横浜BC)のドライブや富永(ネブラスカ大)の精度の高い3点シュートに加え、ホーキンソン(SR渋谷)もゴール下で活躍して得点を重ねた。終盤の相手の追い上げもしのいだ。8月30日までの1次リーグでアジア勢は日本が唯一1勝を挙げたが、全6チームが2次リーグ進出を逃した。アジア最上位が獲得するパリ五輪出場権は、順位決定リーグで争われていた。