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調査報告の削減、初任者研修見直し… 教員の業務改善へ指針発表 沖縄県教委 課題や悩みを基に23項目


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沖縄県庁

 教員の多忙が問題視される中、県教育委員会働き方改革推進課は8月16日、教職員の業務をより早く改善するために、取り組む内容を示した「私たちのピース・リスト2023」を発表した。各教委、学校、教職員が優先的に取り組むべき23の事項を挙げた短期目標で、取り組み事項をリストアップして具体的に提示したのは今回が初めて。

 ピース・リストは、教職員から寄せられた課題や悩みを反映させて、分かりやすくリスト化し、整理したもの。教職員からの意見は、同課が4~5月に実施した、教職員への働き方アンケート結果を基にした。4月に同課が新設されてから、改善に向けた指針を打ち出したのは初めてとなる。

 23項目は(1)学校運営体制の改善(2)学校業務の改善(3)教育活動の充実(4)部活動の在り方の見直し―の四つに大別し、それぞれに設定理由や改善に向けての具体的なアプローチ例、取り組み主体が示されている。

 取り組み主体の明記は、各教委や学校、教職員、地域などの関係団体が自分に引きつけて考えてほしいという狙いがある。23項目には、学校への調査・報告の削減や初任者研修の内容見直しなどが挙げられた。リストは16日、県教委や各市町村教委を通じて教職員に公表されており、22日までに県教委のホームページでも公開された。

 ピース・リストは23、24年度で短期的に取り組む短期目標。県教委は、26年度までの中期目標と、26年度以降の長期目標も年度末をめどに設定するとしている。

 上江洲寿働き方改革推進課長は「各市町村や学校も、リストに挙げた視点を念頭に置いて働き方を改革してほしい。地域や学校の実情に応じて、課題の優先順位の判断や改善に向けたアプローチの仕方を判断してほしい」と話す。取り組みの進捗(しんちょく)状況については「市町村教委と連携して、今後把握していく必要がある」としている。

 教職員への働き方アンケートの結果概要も、県教委のホームページに載っている。「改善または削減が必要と考える業務や制度」を尋ねた質問の回答を、小学校や中学校など各校種に共通した業務と、校種ごとで特徴があった業務とで整理してある。(高橋夏帆)