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部活動の地域移行、最初のポイントは? 沖縄県教委が説明会


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部活動の地域移行の課題や対応策などを説明する県総括コーディネーターの石塚大輔さん=8月22日、沖縄市の中頭教育事務所

 部活動の地域移行の課題や対応策への理解を深めてもらおうと、県教育委員会保健体育課は8月22日、沖縄市の中頭教育事務所で学校関係者らへの周知説明会を行った。県総括コーディネーターの石塚大輔さん(スポーツデータバンク沖縄代表)らが登壇した。石塚さんは「部活動の地域移行という社会的な問題を契機に、地域のスポーツ環境などをよりよくすることにつなげてほしい」と述べ、学校と地域が連携して運動環境を整備する重要性を強調した。

 8月~9月にかけて六つの教育事務所などで開く説明会の内の1回で、学校の管理職や部活動の顧問、スポーツ団体などから34人が参加した。

 石塚さんは、部活動の地域移行の国の動向や課題が(1)指導者の確保(2)財源の獲得(3)運営や施設などの管理―の3点であることを説明。その上で、地域移行をするためのポイントとして、最初に学校部活動の意義や定義を再検討する必要があるとした。「クラブに求めるのはアスリート育成なのか、スポーツを楽しめる環境を幅広く作ることなのか。地域で議論することで指導者に必要なスキルが分かってくる」と呼びかけた。

 兼職兼業制度で指導を続ける教員の数やスポーツ指導者の人数を実態調査などで把握・整理することも大切だと語った石塚さんは、地域移行が「先生方や教育委員会だけではどうにもならないということをイメージしてほしい」と求めた。

 県教委保健体育課の高良朝彦さんからは、国の方針や県の取り組みなどの説明があった。部活動の技術指導や大会の引率を行う「部活動指導員」の人数が、8月9日現在で、19市町村内の中学運動部に110人(昨年度71人)配置されていることが報告された。

 公立中学の休日の部活動を地域の団体などに委ねる改革を巡っては、国は2023年度から3年間を「改革推進期間」に位置付けている。
 (高橋夏帆)