バイト募集アプリ「タイミー」が沖縄に拠点を設立


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バイト募集アプリ「タイミー」が沖縄拠点設立/バイト募集アプリ「タイミー」のトップ画面(提供)

 バイト募集アプリ「タイミー」を運営するタイミー社(東京都・小川嶺社長)が7月に那覇市久米に新たに沖縄拠点を設置した。登録者の希望業種や業務可能な日時と、事業者が求める技能や就業日など条件が合致すれば自動的にマッチングする仕組み。

 賃金はタイミーを通じて支払われる。2022年8月時点で全国で約4万6千事業者が導入し、約500万人のワーカーが登録している。

 全国的に人手不足が深刻な飲食業などを中心に、継続した雇用関係を結ばず、短い時間だけ働く労働形態「スポットワーク」の需要が拡大している。国内の主な仲介業者が加盟するスポットワーク協会によると、タイミーを含む大手4社の登録会員数は、今年5月時点で計約1070万人と20年と比較して倍以上に増えている。

 同社九州支社沖縄拠点リーダーの大城祐二さんは「リゾートホテルや飲食店のように、週末やハイシーズンは忙しく、平日やオフシーズンは落ち着くなど繁閑の差が激しい業種でスポットワーカーの需要が特に高まっている」と説明する。

 面接や履歴書は不要で、賃金は基本的に当日支払いとなる。空いた時間を活用したい学生や子育て中の女性などが多く登録しているといい、「コロナ禍での大企業の副業解禁や生活費の高騰などの影響で、会社員の登録も増えている」(大城さん)。

 好きな時間に手軽に働ける一方、スキルの明確化などの課題も残る。同社はフォークリフト免許や国家資格を持つ登録者の情報提供や資格取得のための費用サポートを通して、ミスマッチの解消を図る。

 同社は19年からは地方での仕事や生活を体験したい人と、人手やスキルのある人材が欲しい地方の事業者をマッチングするサービス「タイミートラベル」の提供を開始した。沖縄での滞在希望者は他府県と比較して多いといい、同社エリア事業部の豊福泰司マネージャーは「観光地でありワーケーションの拠点としてのニーズも高い沖縄にスポットワークという新しい働き方はマッチしている」と強調した。(普天間伊織)