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5歳の年長さんたち「獅子舞」力強く 浦添・勢理客こども園 伝統継承に一役、健康づくりにも


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力強い動きで獅子舞を披露する勢理客こども園の子どもたち=8月26日、浦添ふ頭南緑地(提供)

 【浦添】浦添市の勢理客こども園の園児らが、地域に伝わる獅子舞の継承に取り組んでいる。8月26日に開催された夏祭りでは、年長組(5歳児)が力強い獅子舞の演舞を披露した。旧暦8月15日に勢理客地域で開催する十五夜祭でも、園児らが獅子舞の演舞を見せる。獅子舞の練習を通して体が鍛えられるなど、子どもたちの健全育成にもプラスの効果をもたらしているという。

 勢理客の獅子舞は国選択無形民俗文化財や浦添市指定無形民俗文化財に指定されている。舞が11種類と豊富で、芸が細かく足の踏み込みが大きく勇壮であることなどが特徴という。こども園では11種類の舞を継承しつつ、園児の成長に合わせてオリジナルの動きも取り入れて演舞を組み立てている。

夏祭りで勇壮な獅子舞を披露した勢理客こども園の子どもたち

 同園によると地域の伝統文化の継承などを目的に、47年ほど前から園児らが獅子舞を続けている。重量のある獅子舞を持ち上げたり、高く足を上げたりするために、園では子どもたちの体作りに力を入れるようになったという。穴掘りやぶら下がりなど遊びの中で体を強くすることで、獅子舞をうまく踊れるまでに成長した。健康づくりにも役立っており、今では獅子舞が園の伝統にもなっている。

 夏祭りでは園児らが練習成果を発揮し、集まった保護者から盛んな拍手が送られた。勢理客の十五夜祭は今月29日に開催予定で、園児らも舞台に立って勇壮な舞を披露する。

 こども園を運営する勢理客福祉会の比嘉富子理事長は「人づくりや未来を育てることを園の目標にしている。獅子舞を通して地域を愛し、家族や仲間を愛してもらいたい。そして、いつか地域に戻ってきてほしい」と思いを語った。
 (平安太一)