なし崩し軍事化 批判 港湾関係者、「排除」に怒り


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 米海軍掃海艦パイオニアが石垣市の石垣港に入港した7日、市民や港湾関係者らは離島の民間施設がなし崩し的に軍事利用される現状に抗議し、日米政府を批判した。
 2009年に米掃海艦が石垣港に寄港した際、現場で抗議行動をした大濱明彦さん(62)は、14年ぶりに入港した7日も現場に駆けつけた。
 クバ笠に「基地のない沖縄を」と書かれたはちまきを巻き、掃海艦に向けて抗議の拳を挙げた。石垣市では自衛隊駐屯地が開設され、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が駐屯地外に展開した。10月には日米実動訓練が予定されている。島で進む軍備拡張に「恐怖だ。島の歴史や文化が壊されていく」と行く末を案じた。
 港湾で働く人々による労働組合「全港湾」沖縄地方本部の山口順市執行委員長は、港に設けられたバリケードについて「港湾で働くわれわれが排除されている」と驚きを隠さない。
 「民主主義は機能しているのか。そこまでして入港させないといけないことが異常事態だ」と述べ、市民の不安を置き去りにした強行に怒り心頭だった。
 6日に那覇市内で入港に反対する集会を開いた、沖縄平和運動センターの澤岻優子事務局次長は「有事の際に民間の空港や港湾が狙われる危険性がある」と指摘し、日米両政府に憤りを示す。国に対し「ありきたりかもしれないが、対話で解決していくべきだ」と軍事力に頼らない外交に努めるよう訴えた。
 (玉寄光太、照屋大哲)