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埋め立て進行14%なのに投入費用は累計4000億円超える 辺野古新基地の事業費、当初見積もりを超過 防衛省が明らかに


埋め立て進行14%なのに投入費用は累計4000億円超える 辺野古新基地の事業費、当初見積もりを超過 防衛省が明らかに 防衛省
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 【東京】名護市辺野古の新基地建設工事について、防衛省は14日までに、2006年度から22年度までに支出した累計額が約4312億円に達したと明らかにした。21年度までの累計は約3497億円としており、22年度だけで815億円を支出した。政府が軟弱地盤の存在発覚前の09年に示した当初見積額約3500億円を超えている。

 累計額は、12日に衆院第1議員会館で行われた日本共産党県議団(団長・渡久地修県議)との交渉で、防衛省担当者が明かした。
 防衛省は、野党国会議員でつくる「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」(会長・近藤昭一衆院議員)に提出した資料で、06年度~21年度までの累計額を約3497億円としていた。22年度の支出額については、「確定していない」として示していなかった。資料では、土砂投入が始まる直前の17年度に約507億円を支出。年度ごとの支出額では、18年度が約201億円だったが、19年度約554億円、20年度約547億円、21年度約924億円と増額の傾向が顕著になっていた。

 共産党県議団は交渉で、現時点で埋め立てた土砂が「事業全体の14%にとどまる」と指摘。事業完了までに必要な支出総額の試算を示すよう要求した。防衛省担当者は19年12月に公表していた「約9300億円」とする試算額を再び示した。
県議団は、これに対し、「(試算から)さらに超過するのは明らかだ。完成の見込みがない埋め立ては中止すべきだ」と求めた。

 (安里洋輔)