竹富町役場位置、西表が多数 町長、移転を明言


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁

 【竹富】竹富町役場新庁舎の建設場所を問う住民投票は30日、石垣市のJAおきなわ八重山支店で開票され、現庁舎がある「石垣市内」が1140票(43・1%)、「西表島・大原」が1459票(55・2%)となり、西表島への移転賛成票が上回った。川満栄長町長は「住民の賢明な判断を重く受け止め、民意に沿って役場建設を進めたい」と西表島への移転を明言した。

 川満町長は30日、結果を受け、2016年3月までに西表島への新庁舎建設の基本方針を策定、16年度中に基本設計と実施設計をつくり、17年度中には同島で建設に着手する計画を示した。
 同町役場は町内各島々と定期船が結ばれている石垣島に庁舎がある。1938年に竹富島から移転し77年にわたり行政運営を続ける一方で、50年余り役場移転問題が議論されてきた。他の自治体の地域内に役場を置いているのは同町を含め全国に3カ所しかなく、住民投票の結果に注目が集まっていた。
 移転について賛否がある中、町民は「長年の課題が解決する」「納得いかない。残念だ」とそれぞれ結果を受け止めた。
 結果に法的拘束力はないが、条例は町長と町議会に結果を尊重するよう定めている。
 ただ条例制定をめぐっては町議会で議論になるなど移転に関し賛否で割れている。
 川満町長は庁舎整備の基本方針策定に関する予算を12月定例会に計上する予定だが、可否をめぐって紛糾する可能性もある。
 当日有権者数は3296人で投票者数は2645人だった。うち無効票は46票(1・7%)、投票率は80・3%だった。