「多様な意見教えて」 高校教諭、中立性学ぶ 18歳選挙権で県選管研修会


この記事を書いた人 田盛 良一

 2015年度県選挙啓発指導者研修会(県明るい選挙推進協議会、県選挙管理委員会主催)が県庁で開かれ、16年から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるのに伴い、県内の高校教諭を対象とした講演やワークショップが行われた。生徒に政治参加の意識を促す主権者教育を実施する教職員を支援するため初めて開催した。参加した教諭90人は、主権者教育を実施する上で中立性をいかに保つかなどを学んだ。

 主権者教育の実例を体験するワークショップはグループに分かれて話し合った。進行役を務めた市民性教育副読本解説書策定委員会の与那嶺匠委員は「人間が中立であることは不可能だ」と強調し、教員が自らを中立だと思い込むことが危険だと指摘。「授業が中立であればいい。多様な意見を知り、生徒が判断できるような授業が主権者教育だ」と話した。
 講演した明治大学の藤井剛特任教授は、若者が投票に行かない理由に基礎知識の不足や政治不信などを挙げた。「教育は政治に興味を持つきっかけになる」とし、生徒が多様な意見を収集して模擬投票や討論会を実施することなどを促した。
 那覇商業高の嶺井寿賀子教諭(47)は「政治的中立を考えると躊躇(ちゅうちょ)する部分もあったが、生徒自ら考える授業をやっていこうと思う」と話した。