キングス惜敗、5敗目 TKbjリーグ第18戦


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キングス―秋田 第3クオーター、相手のディフェンスをかわしてシュートを放つ津山尚大=6日、宜野湾市立体育館(屋嘉部長将撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=13勝4敗)は6日、宜野湾市立体育館で秋田ノーザンハピネッツ(東地区4位=11勝6敗)と第2戦(今季第18戦)を行い、77―80で敗れた。

 試合の序盤から両チームがテンポ良く攻撃を仕掛け、点の取り合いになった。キングスは岸本隆一や喜多川修平の得点でリードを奪ったが、第2Qに入るとミスが多発してペースを乱した。それでも金城茂之が要所で得点して45―43とわずかにリードして前半を終えた。第3Qは秋田の攻撃力に押され、ターンオーバーの減らないキングスはわずか8点しか奪えなかった。一時は10点以上のビハインドを背負ったが、第4Qにイバン・ラベネルがインサイドで力を発揮して追い上げた。しかし勝負どころでミスを犯し、つかみかけた勝利を逃した。
 キングスは12、13の両日、沖縄市体育館に東地区の富山グラウジーズを迎えてホーム2連戦を行う。(観客2588人)

秋田ノーザンハピネッツ(12勝6敗)
80―77(21―26,22―19,19―8,18―24)
琉球ゴールデンキングス(13勝5敗)

 【評】キングスが目の前まで迫っていた白星を逃した。点の取り合いとなった前半はクロスゲームとなった。後半に入るとキングスのミスが増え、勢いを落とさない秋田が優位に立った。第4Qはキングスが追い上げたが、勝負を分ける重要な場面でミスが出た。(平安太一)

◆展開が甘かった
 伊佐勉監督(キングス)の話 前半に秋田に付き合って力を発揮させたことが敗因。最後のシュートの問題ではない。そこに行き着くまでのゲームの持って行き方が甘かった。第3Qはボールが外で回って中に入らなかった。第4Qに追い上げたことは良かったが、そのような形では勝てない。

◆選手、我慢した
 長谷川誠HC(秋田)の話 昨日は審判の間違いに対して自分たちで崩れた。沖縄出身の審判が(キングスのホームで笛を)吹いているのはきつい。その中で選手が我慢してやってくれた。プレーオフになると審判も変わるから(キングスは)思うように行かないはずだ。

◆勝負どころで痛恨のミス
 何度、同じ光景を目にしたことか。試合時間が残り約10秒でキングスのビハインドはわずか1点。最後の攻撃を得点に結び付ければ勝利に大きく近づけた。しかし、そこで痛恨のターンオーバーが飛び出した。「最後の緊迫した場面でうちは(シュートを)決められない。そこに至るまでの練習不足だ」と伊佐勉監督は認めざるを得なかった。
 嫌な予感は前半からあった。第1Qから秋田を調子づかせてしまい、第2Qはターンオーバーで好機を逃した。自分たちのリズムに引き込むことができず、「秋田に行けると思わせてしまった」(伊佐監督)。第3Qは開始から5分を過ぎた時点でキングスはわずか3点。攻撃が爆発した秋田は14点を奪った。
 重苦しい空気を吹き飛ばすため、奮起したのは津山尚大だった。指揮官が「メンタルが強い」と信頼を寄せるルーキーが外からリングを射抜いてチームを鼓舞した。第4Qの終盤は猛攻を仕掛けて秋田の背中を捉えかけた。秋田の外国籍選手が五つ目のファウルを犯して退場し、キングスが優位になったかに見えたが、白星は遠かった。
 11月の京都戦でも接戦を落とした。今回もまた、似たような内容だ。伊佐監督は「一つのシュート、パス、ディフェンスの大切さを突き詰めないといけない」と言う。
 強敵がひしめく今季のリーグ戦で、試合がもつれることは仕方がない。それでもファンが求めているのは、最後に勝ち切る強さだ。(平安太一)